GPSに関するQ&A
Q.1
 GPSとは何ですか?
A.1


GPS(Global Positioning System)とは米国によって軍事用に開発された衛星を使った位置決定システムですが、民間にも開放され、近年では航空機・船舶等の航法支援、カーナビゲーション用として広く利用されています。測量に利用する場合には、測点間の視認が不要である上、長距離の測量においても測定精度が高く、天候に影響されにくいなどの利点があります。このシステムは、地上約2万kmを周回する27個のGPS衛星、GPS衛星の追跡と管制を行う管制局、測位を行うための利用者の受信機で構成されており、GPS衛星は6軌道面に4個ずつ配置されています。利用者は、GPS受信機により4個以上のGPS衛星からの距離を同時に知ることにより自分の位置を決定できます。GPS衛星からの距離は、GPS衛星から発信された電波が受信機に到達するまでに要した時間から求められます。

 

 

 

Q.2
 NMEA0183フォーマットとは何ですか?
A.2


NMEAは米国海洋電子機器協会(National Marine Electronics Association)が定めた規格で、受信機とナビゲーション機器の通信に使用されるプロトコルのことです。その中でも、NMEA-0183は、GPS受信機とナビゲーション機器の間をシリアルポートを利用して通信するための規格です。NMEA-0183の規格では、 すべての文字がASCIIテキストの「センテンス」で送られます。GPS受信機が出力できるNMEA-0183データは、受信機の種類によって異なります。受信機の性能や価格に比例して利用できる数が多くなる傾向がありますが、低価格にもかかわらず利用できるNMEAデータが多い受信機もあります。GPS受信機を購入する際には、どのような形式のNMEAデータが利用できるのか事前に調べることも必要でしょう。測量などに使用する場合には、NMEAデータにより出力される緯度・経度の桁数にも注意が必要です。

   -補足-
NMEAデータのフォーマットは、機種により微妙に異なる場合があります。
これは米国海洋電子工学協会(National Marine Electronics Association)が

細部までフォーマットを規定していないことによるものだと考えられます。

そのため、「NMEAデータ対応」のソフトウェアでも、使用できる機種が限定

されている場合があるので注意が必要です。



-NMEA0183フォーマットの例-
[GGA]

@測位時刻(UTC) A緯度 B経度 CGPSのクオリティ 0:受信不能 1:単独測位 2:DGPS D受信衛星数
EHDOP F平均海水面からのアンテナ高度(m) GWGS-84楕円体から平均海水面の高度差(m)
HDGPSデータのエイジ(秒) IDGPS基準局のID Jチェックサム

[GLL]

@緯度 A経度 B測位時刻(UTC) Cステータス A:有効 V:無効 Dモード A:単独測位 D:DGPS N:無効
Eチェックサム

[GSA]

@測位モード A:2D/3D自動選択 M:2D/3D手動選択 Aモード 1:受信不能 2:2D 3:3D B受信衛星数
CPDOP DHDOP EVDOP Fチェックサム

[GSV]

@全メッセージ数 Aメッセージ番号 B受信可能衛星数
C〜F衛星番号、仰角(度)、方位(度)、SNR(デシベル) Gチェックサム
※ 1メッセージにつき衛星4つ分のデータしか含まれないため、12チャンネル受信機であれば最大3センテンス
になる可能性があります。

[RMC]

@測位時刻(UTC) Aステータス A:有効 V:無効 B緯度 C経度 D対地速度(ノット) E進行方向(度,真北)
F日付(UTC) G地磁気の偏角 Hモード A:単独測位 D:DGPS,N:無効 Iチェックサム

[VTG]

@真北に対する進行方向(度) A磁北に対する進行方向 (度) B対地速度(ノット) C対地速度(km/h)
Dモード A:単独測位 D:DGPS N:無効 Eチェックサム

[ZDA]

@測位時刻(UTC) A日(UTC) B月(UTC) C西暦(UTC) D時(現地時間) E分(現地時間) Fチェックサム

 

 

 

Q.3
 単独測位とは何ですか?
A.3

GPS受信機1台で同時に4個以上のGPS衛星からの電波を受信し、各衛星からの距離を算出して測位する方法です。過去には精度が100m程度でしたが、米国による精度の意図的劣化(SA)が解除されたため、10m以下の精度を確保できるようになりました。 広く一般大衆商品として普及され、携帯電話などにも採用されています。

 

 

Q.4
 DGPSとは何ですか?
A.4

基地局でGPSによって測定された緯度経度を正確な緯度経度と比較して、その差分を補正情報として発信します。DGPS利用者はこの補正情報を処理することによって、誤差を0.5~3m程度まであげることができます。 海上保安庁ビーコン方式、SBAS方式、OmniSTAR方式などがあります。

 


Q.5
 GPSの精度とはどういうものですか?
A.5

GPSの精度は、測位を行う環境に強く影響されます。山などの急斜面では、地面そのものが壁のように立ちはだかり、測位可能な衛星が限られ、偏ってしまいます。そのため、谷部など周りを斜面で囲まれている場所では、測位が非常に難しくなります。また、森林内などの樹冠や都市内の高層ビルなども測位精度の障害となります。また、精度は正確度と精密度の2つに大きく分けられます。正確度とは、測定された数量が、その真値にどれほど近いかを示すもので、精密度とは、複数行った測定のそれぞれの結果がお互いにどれほど近いかを示すものです。

 

 

Q.6
 PDOP,HDOP,VDOP値とは何を示しているものですか?
A.6

PDOP(Position Dilution of Precision)は衛星の幾何学的配置を指数化したもので、位置精度劣化度と呼ばれます。

この値が小さければ位置の精度が高く、大きければ位置の精度が低いことを示しています。
PDOPの水平成分、垂直成分だけを指数化したものが、それぞれHDOP(Horizontal Dilution of Precision)とVDOP(Vertical Dilution of Precision)です。 PDOP、HDOP、VDOPの間には、PDOP2=HDOP2+VDOP2の関係があります。

 

 

Q.7
 GPSの測地系を教えてください。
A.7

WGS-84世界測地系です。日本の測量においては現在ITRF94座標系とGRS80楕円体で表現されますが、アメリカで使用されているWGS-84の準拠楕円体とGRS80楕円体とは0.1mmほどしか違わないため、事実上ほぼ同じものです。よって日本は採用している世界測地系はGPSデータと相性が良いと言えます。

 

 

 

 Bluetoothに関するQ&A

 

Q.1

 技術適合証明とは何ですか?
A.1

技術適合証明とは特定の小規模な無線について、総務省の登録を受けた証明機関が検査を実施し電波法に定める基準技術に適合していることを証明する制度です。

 

Q.2
 Bluetooth機器には技術適合証明が必要ですか?
A.2

日本国内でBluetooth,Wi-Fiタグ等電波を発する機器を使用する場合には、技術適合証明取得済みの機器を使用する必要があります。

 

Q.3
 技術適合取得証明取得済みかどうか、どのようにして知ることができますか?
A.3

技術適合証明取得製品には以下のような証明ラベルが貼ってあります。

  

 

 

 

 よくある質問

 

Q.1
 GPS受信機とGPSロガーの違いを教えてください。
A.1

GPS受信機は、GPS衛星からの信号を受信するもので、メモリはありません。通常はノートパソコンやPDAなどデータを表示、記憶するデバイスが必要となります。GPSロガーは、受信データを記録するものです。受信したデータをGoogleEarthなどのインターネット地図で位置表示させることが可能です。また撮影した写真をタイムスタンプで正確にマップ上に表示させることもできます。一般的なGPSロガーはリアルタイムでNMEAメッセージを出力できるものも多く、PDA・ノートパソコンなどでリアルタイム地図上に位置表示にも使用できます。

 

 

Q.2
 GPS機器のコールドスタート・ウォームスタート・ホットスタートとはどのような機能ですか?
A.2

GPSのご購入後の初回起動時や、長期間使用していなかった場合などの起動をコールドスタートと呼びます。コールドスタート時は通常よりGPS衛星からのアルマナックの取得に時間がかかります。一度衛星の電波を取得し、GPS衛星の軌道歴が完全に残っている状態から時間をたたずに再度スタートした場合はホットスタートとなり、再取得までの時間は大幅に短くなります。また、衛星の電波取得後、電源をオフにしても短い時間であれば再取得までの時間は短くなります。このことをウォームスタートと言います。

 

 

Q.3
 森や林の中で使用できるDGPS補正情報はありますか?
A.3

日本国内で使用できる主たる補正情報ソースは、海上保安庁ビーコン方式とMSAS方式になります。MSASからの補正情報には電離層遅延量補正値も含まれるため、一般的には精度が良いといわれます。しかし周波数がGPSのL1と同じ1575.42MHzであるため、林内では信号が葉一枚にもブロックされ受信できない場合がよくあります。一方海上保安庁方式は周波数が300KHz前後ということで、一般的には林内でも補正情報を受信しやすいといえます。しかし海上保安庁ビーコン基地局からの距離が遠い場合や、干渉する電波がある場合にはその限りではありません。DGPS受信機の仕様に精度1m以内とあっても、それは十分に天空が開けている場合の精度です。林内で4個のGPSから信号を受信し、MSAS補正情報を受信して「DGPS」という表示になっていても、実際はDOP値が悪く20mくらいの精度となってしまうこともよくあります。

 

 

Q.4
 GPSのデータの時刻が9時間ずれているのですが…。
A.4

一般的にGPS測位では、UTC(Coordinated Universal Time 協定世界時)を用いており、これは日本標準時(Japan Standard Time, JST)と+9時間の時差があります。GPSの機種によってはソフトウェア・ハードウェアで時差の調整が可能です。

 

 

Q.5
 GPSを使ってナビゲーションをしたいのですが、どの地図ソフトを選んだらいいですか?
A.5

地図ソフトにGPSを接続する場合、その地図ソフトがWGS-84(世界測地系)に対応しているか、接続するGPSとその地図ソフトのボーレートを含めた通信手順が合致しているかを事前に調べる必要があります。(ボーレートが合って いないと作動しませんのでご注意下さい。)また、NMEAデータのフォーマットが機種により異なる場合があり、そのためNMEAデータ対応の地図ソフトでも使用できる機種が限定されている場合もあります。GPS受信機をご購入の際はこれらにご注意が必要となります。

 

 

 

Q.6
 GPSのログデータにデジタルカメラで撮った写真を貼り付け地図表示することは可能ですか?
A.6

可能です。GPSログデータをソフトウェアに読み込み、その後デジタルカメラの写真を取り込むことでログデータに写真を貼り付けることができます。(ソフトウェアの時刻設定を日本標準時に調整している必要があります。)一般的にはインターネットマップであるGooglEarthにログデータを位置表示し、タイムスタンプで位置と画像の同期を行うことができます。

 

 

Q.7
 GPS受信機・ロガーは海外で使用できますか?
A.7

使用できます。GPS衛星の電波の受信が可能であればどこでも使用することができます。ロガーで取得したデータのインターネット地図上での位置・写真表示も、インターネット環境さえ整っていれば一般的には行うことが可能です。

 

 

Q.8
 GPS衛星をうまく捕捉できません。
A.8

GPS衛星をうまく捕捉するためには、見晴らしが良く障害物の無い場所が理想的です。逆に森林の中や高層ビルが立ち並ぶ場所などのように、障害物が多く見晴らしの良くない所ではうまく捕捉できないことがあります。GPSチップの感度が向上しているとは言え、コールドスタート時は特に完全に天空の開いた場所で信号の受信を試みることが重要です。屋内やベランダでは短時間でコールドスタートを実行することはできません。

 

 



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